フィリピン視察のまとめ --- Summary of the Philippines visit ---

 
Chaotic traffic view from North Ave Station on MRT(Mass Rail Transit)
前回の更新からかなりの時間が経過し自分を取り巻く環境も随分と変化した。中途半端に公開されたこれまた中途半端なエントリを削除して、当時、報告書としてまとめた文章が見つかったのでフィリピン視察に関してはこれで置き換えることにした。

 内容の大半は周知の事実であり、読み物として面白いかどうかはわからないが、実際、自分で見たモノや事実を纏めているので「へぇ、なるほど」と思ったりして面白かったりする。

フィリピン視察報告



期間:平成27年6月26日~平成27年7月21日

滞在地:マニラ首都圏ケソン市ノバリチェス

同行者:Y.Fujino T.Arai



訪問の目的


近年成長著しいアジアの中でもここ数年の高成長率が注目されつつあるフィリピン。国民の平均年齢が23歳と非常に若く(日本:44.9歳・ベトナム:27歳)、さらに、2010年以降、現在に至るまでBPO事業を中心に堅実な経済成長を遂げている。2014年で7%、2015年も同等の経済成長が見込まれている。

少子高齢化社会を迎え経済的な発展が頭打ちに近づきつつある日本と、人口ボーナスによりしばし安定した経済成長が見込めるアジア諸国とのビジネスの可能性を模索し、我々が暮らす沖縄県をハブにアジア諸国の成長エネルギーを取り込む仕組みを検討する事が今回の訪問の一番の目的である。
幸いにして藤野氏の家族がマニラ近郊に居住しており、滞在中はマニラに隣接する旧首都であったケソン市の一般家庭にてお世話になった。

主な訪問地


今回は予算の関係もあり滞在はマニラが存在するルソン島内にとどまり、ケソン市の投宿先から主にマニラ都市圏にあるパートナー候補企業や、その周辺にある市場等を見て回った。また、日帰りではあるがマニラから北西に約150kmの場所に位置するスービック経済特区(Subic Bay Freeport Zone)の周辺にも足を伸ばした。

移動は主にバス・電車・タクシー等の公共交通機関の利用し、現地に暮らす一般の人々の生活感や状況を体験するよう努めた。

以下、ネットや事前調査資料からは伺い知ることの出来なかった現地の状況をお伝えする。かなり主観的な視点も交じることをご容赦頂きたい。


マニラにおける公共交通機関





フィリピンの総人口の1割以上が住むとされるマニラの交通機関はカオスであった。常に渋滞とけたたましいクラクションの音で満ちている。朝夕の通勤のピーク時は初詣客で賑わう大晦日の神社並の人口密度となる。以下、マニラにおける公共交通機関の所感。



 トライスクル(Tricycle)8ペソ~(22円程度)

F:\LocalDocs\Google ドライブ\IFAGLOBAL\調査資料等\報告書用\tricycle.jpg日本製の125cc程度のバイクの横に乗客用のサイドカーを取り付けたバイクタクシー。運行はライセンス制となっており決められたエリア内の路地のみ営業可能。運賃は一人8ペソ程度だが一度に5人位までなら運搬可能。







ジプニー(Jeepney)8ペソ~(22円程度)

大通りの移動の中でも短距離を担当するのがジプニー。

ラダーフレームのシャーシに屋根と長椅子、派手目なデコレーションが特徴的。

こちらもライセンス制になっており決められたエリア内の往復のみが許される。

フロントガラスやボディサイドに書かれた行き先を見て搭乗する。

距離にもよるが一人8ペソ程度。長椅子にギチギチに押し込まれて利用する。窓が無いためエアコンもない。自国の自動車メーカーを持たないフィリピンにとって、様々な部品を組み合わせて作るジプニーはフィリピンの創造性(Creativity)の象徴とされる。


乗り合いタクシー(FX Taxi / UV Taxi)15ペソ~35ペソ


 7名乗り程度のミニバンにシートを増設した乗り合いタクシー。

 フロントガラスの上に「UV Express Service」という表記があり、ジプニー同様フロントガラスに掲げられた行き先表示のプレートを見て乗り込む。

 初乗りは15ペソ程度。ケソン市のノバリチェスからMRTのNORTH STATIONまでで一人30ペソ。エアコンは概ねしっかりと効くが、満席にならないと出発しない上に、これまたギチギチに詰め込まれる。車内でエアコンが効くか効かないかが、ジプニーと乗り合いタクシーの違い。

バス


バスの運行経路や運営会社等は雑多すぎて謎が多い(これは日本も同様か)幹線道路にいくとエアコン付き/エアコン無し・WIFI付き等の様々なバスが走行している。



ジプニー等と同様、フロントガラスに掲げられた行き先を見て乗り込む。バス停は一応あるが、どこでも乗れてどこでも降りられるシステムのようだ。上記の3つの中で最も遠距離移動が可能で、ラッシュ時であっても席にありつければ比較的楽な移動が可能になる。マカティ駅からノバリチェスのSMマートまで約23km程度の距離で一人45ペソ。
スービック訪問時に利用したバスは自動車専用道路(高速道路)を走行しWifi付きで約150kmの道のりが270ペソ。

電車(鉄軌道)

引用:Manila Train Guide http://www.whystopover.com/manila-train-guide/
マニラの鉄道は高架鉄道。現時点では米国大使館がある海側のマニラ・ベイ側を走るLRT1とマカティ・オルティガス・クバオといった商業地を経てケソン市のノースアヴェニュー駅まで延伸するMRT線がちょうど環状に繋がり(現在はまだ接続されていない)その間を横断するLRT2線の3つが主要な鉄道となっている。地図上にはLRT1に並行するPNR(Philippines National Railway)も見えるが4月末に6名が軽傷を負う脱線事故を起こして以来運休中。7月23日より運転を再開するという。

LRT1 (最北)ルーズベルト駅(Roosevelt) -(最南)バクララン(Baclaran)
MRT (最北)ノース駅(North) -(最南)タフト駅(Taft)
LRT2 (最西)レクト駅(Recto) -(最東)サントラン駅(Santolan)
PNR (最北)ツツバン(Tutuban) -(最南)アラバン駅(Alabang)

 運賃は個別に人力の窓口で行き先を告げて購入するか100ペソのプリペイド(ストアドバリューカード)を購入する。ストアドバリューカードは残高が1ペソでもあれば、運賃不問でどこでも行ける特典がある。現在、システムの刷新が行われているようで、真新しい改札機械が並んでいた。

 海岸側を南北に縦断するLRT1に比べて内陸側のMRT沿線上には開発途上の振興都市が点在し様々な企業や事業所があるため、車窓の風景もさることながら乗客の雰囲気も随分違うように思えた。海岸側と内陸側はさながら旧市街と新市街のような趣がある。通勤ラッシュが心身を消耗させるのは日本もマニラも同じだ。




MRT(Mass Rail Transit)



駅構内には様々な軽食を販売するブースがある
タクシー

 タクシーは路上にはかなり溢れているように見えるのだが、絶対数はやはり不足気味で乗るたびにかなり待たされる事になる。また、やっとの思いで捕まえても渋滞の為、乗車を拒否されること数回。また、通常料金以上の金額を提示される事にしばしば遭遇した。(100ペソ200ペソの話なので金額的には知れているが)


初乗り350mまでが40ペソ。以降は距離と時間で料金が加算され1kmあたり約12ペソ。一時間あたり約120ペソ。


 
初乗り
1km加算
1時間
ガソリン
20km/1.5時間乗った場合の試算
マニラ
¥109
¥32
¥326
¥112
¥1,511
那覇
¥510
¥198
¥1,938
¥135
¥7,715

 マニラのガソリン代は他の物価に比較してかなり高く、レギュラーガソリン1Lが約41ペソ程度(日本円にして約110円程度)。また、聞く所によるとタクシーの運転手はタクシー会社より車両を1日1,000ペソでリースされているが、ガソリン代等の実費は自己負担となるようだ。

徒歩


マニラ首都圏の大半のエリアにおいて、歩行者は交通戦争の中で著しく虐げられているように感じた。

まず歩行者用の信号機の絶対数が圧倒的に少ない。一応、歩行者用の信号機は存在するものの「青信号」状態が著しく短く、結局信号無視なのかどうなのか微妙な線で横断しなくてはならない。

学校やショッピングモールに向かう通りには一応、横断歩道が路面にプリントされてはいるものの、渡れるか渡れないかは自分のリスクで、しっかりと状況を確認してからでないと渡りきれない。片側3車線程度のハイウェイの横断は健脚自慢の自分でさえ恐怖を感じるありさまで、老人や障碍者の方達などは一生渡れない可能性がある。

マニラの旧市街にある伊勢丹ショッピングモール
また、マニラの都市部には「Gated Community」と呼ばれる富裕層向けの広大な住宅街が存在し、住宅街への立ち入りや通行はショットガンを携帯した私設ガードマンにより厳しく制限されており、交通の循環を悪化させる要因になっているように思えた。地図で確認する限り直線で抜けていけばすぐ着くはずの道を通行することができないのだ。お願いしても通して貰えない。高さ10mはあろうかという高い塀に囲われた住宅街を遥か遠くに見える区画の区切りまで移動し迂回して行かなければならないのだ。

F:\LocalDocs\Google ドライブ\IFAGLOBAL\調査資料等\報告書用\forbesPark.png
Gated Community の代表であるForbes Park(赤色にハイライトされたエリア)
マニラの交通に関する所感

  1. トライスクル・ジプニー等の伝統的交通機関は営業エリアを厳しく制限されている。
  2. 移動に掛かるコストは概ね日本の1/10程度
  3. 道路網及び鉄道網等の交通インフラの輸送能力の増強は喫緊の課題
  4. 鉄道駅と周辺エリアの商業地域との連携(歩行者向けの)がなく不便
  5. 駅施設自体にも乗客処理能力の向上が必須
  6. 駅周辺の不動産価値は今後上がっていく可能性が高い

マニラの主食

 フィリピン人の主食は米。日本人と同じく毎食のように米を食べる。スーパーに行くと長粒米を筆頭に国産米・輸入米と様々な米が大袋で売られている。また、各エリアの路地裏の商店でも数種類の米が量り売りで売られている。我々がお世話になったお家でもほぼ毎食炊飯しており想像以上の米食文化であった。統計によると国民一人あたり年間115kg程度 一日あたり約2合以上、家計支出の20%程度を米に費やしているという。

フィリピンは世界8位のコメ生産国(日本は10位)なのだが、国内の需要に生産が追いつかず、現時点で総消費量の10%程度はベトナム及びタイなどから輸入しており、天候やその他の状況によっては追加で輸入する可能性も示唆している。

マニラの外食産業

マニラローカルのファストフード店「Jolibee」のマスコットキャラ「ジョリビー」

台北やバンコクなどに比べると路上屋台の絶対数は少ないように思われた。グローバルに展開しているファストフードチェーンはマニラの大抵の街角で見つけることができる。 また、日本と同様にロケーションの良い立地にはおしなべてスタバ(Starbucks Coffee)やシアトルコーヒー(Seattle’s Best Coffee)などが営業していた。ハイエンドな新興都市には日本のUCC(上島珈琲店)のカフェも出店していた。



ファストフード店の価格は概ね100ペソ~150ペソ程度(270円から450円程度)で日本より若干安いかな程度の価格設定。スタバの最安アイスコーヒーが100ペソ(270円程度)キャラメルマキアートのグランデが160ペソ(432円程度)と日本国内と同程度の価格設定であるが、店もおしなべて繁盛していた。



また、日本では馴染みの無いファストフード店の躍進もみえた。2017年以降に日本への進出を計画しているフィリピン地場資本の「ジョリビー」(Jolibee)や開店と同時に長蛇の列を作るインドネシア資本のJ.COなど、様々な新興企業が参入し着実に成長している様子が見て取れる。

ショッピングモールや駅前に点在する一坪ショップ(屋台)

F:\LocalDocs\Google ドライブ\IFAGLOBAL\調査資料等\報告書用\foodStall_infront_of_MRT_AyalaStation.jpg
MRT,Ayala駅下にあるショップ。日本人に馴染みの深い食材も多い


アジアの街角でよく見かける屋台の他、駅中や駅前のスペースやショッピングモールのスペースには一坪程度のフードスタンド(Food stall)が軒を連ねる。中には「Takoyaki」(たこ焼き)やら「Siomai」(焼売)といった日本人にも馴染みのある名前の店も見かけた。価格設定は固定店舗で供されるファストフード店より一段階買い求め易く、25ペソ~80ペソ(68円から216円程度)で販売されている。


フランチャイズマニラによると、バナナなどのフルーツパーラーからハンバーガーやアイスなど、かなり多くの屋台がフランチャイズとして運営されている事が分かる フランチャイザーがどの程度の資本規模なのかは調査が必要であるが、屋台本体(Food Stall)とのれん代等をセットでフランチャイズを募集しているようだ。ちなみにSiomai King(焼売キング)は初期投資88,888ペソ(24万円程度)でスタートできるような方法で行っている。

「Fanchise Manila.com」


エリアやモールの場所により出店のコストはかなり違ってくると思われるが、MRTの終着駅であるタフトアヴェニュー駅(Taft Station)に隣接するメトロポイントモール(Metro Point Mall)内のスペースは1月30,000ペソ(約8万円)の賃料を掲示していた。

販売に際してDTI(産業貿易省)が管轄する当局にフィリピン国籍の人間が届け出を行う必要があるのがネック。日本人がテスト販売できソリューションを提供できればハイスピードで成長する市場でのパイロット販売を行う事が可能になるのではと考えた。


マニラの商品売買市場


ネットでの情報を頼りに様々な商品市場にも赴いた。市場は立地する場所によって取り扱われる商品や価格等に開きがあった。以下、訪問した市場順に列挙する。

キューマート,クバオ市(Q-mart Cubao-city)

EDSA(Epifanio Delos Santos Avenue)沿いにある食品・乾物・青果・肉類・鮮魚等全てが並ぶマーケット。市場全体の売上の規模は不明だが地元の人を中心にかなり賑わっている様子だった。

Q-Mart, Cubao-city
雑然と並ぶ商品には基本的に値札等は貼られておらず、その場その場での相対取引交渉が行われる。市場外の歩道上にもあふれるばかりの露天が様々な物品を販売していた。 iPhone6(真贋は不明)の新古品が6,000ペソ(16,000円程度)その他のアンドロイドやエクスペリアの中古品が3,500ペソ(10,000円程度)で販売されている。生鮮食品をまとめ買いするには適している。

グリーンヒルズショッピングセンター

F:\LocalDocs\Google ドライブ\IFAGLOBAL\調査資料等\報告書用\greenhillsShoppingCenter.jpg
Green Hills Shopping Center
MRT サントラン駅から約1km程度離れた場所にあるシネコン等やレストランモールを併設したショッピングセンター。ショッピングセンター内は細かいブースに分割されており、1階にアパレルや時計、ブランド品等のショップがひしめき、2階はスマートフォンを中心としたパソコン等のショップで溢れかえる。街なかでは少数派のモスリム系のフィリピン人が目立つ。


ここで取り扱われているブランド物や時計は全て偽物だがスーパーコピーに分類されるグレードのモノ。実際の耐久性等は不明だが盤面上のガラスにはクリスタルガラスを利用している自動巻のクロノグラフで4,000ペソから8,000ペソ(1万円から2万円程度)と、それなりの価格で販売されている。G-shock(カシオ)のイミテーションは300ペソ程度(1000円程度)。


商品を手にしたところから商談が始まり、最初の言い値から半額近くまで値下げする事ができる。数件の店主に価格表とネットでの通販やる気ないか?と聞いてみたが、「忙しくてそんな暇ないよ」との事だった。

日本国内での商品知識と販売価格の情報があれば、利鞘のある商材をそこそこ集められそうな場所ではある。

バクララン(Baclaran)


LRTの終点であるバクララン駅からPNRバクラランレデンプトリスト駅そばにあるバクララン教会までの約600m程度の道路上に広がる路上マーケット。路上に面した店舗と露天がどのような関係になっているか明らかではないが、どこに何の店があるのかわからないくらい露天が密集している。ただし、露天で取り扱われている商材自体は真新しいところはなく、雑多な雰囲気のみを堪能できる市場と感じた。


レクト(Rect)

LTR1のドロテオ・ホセ駅(Doroteo Jose Station)とLTR2のレクト駅(Recto Station)の近隣に広がる市場街。マニラの観光名所であるリサール公園からほど近くにあるが、2kmほど北上するとアジア最大のスラム街といわれるトンド地区とも隣接しており、往来は独特な雰囲気を醸し出す。レクト駅の正面には我らが「伊勢丹」デパートが鎮座するが、高級デパートというよりも庶民の為のショッピングセンターという雰囲気で、建物自体も昭和を感じさせる昔のデパートを彷彿させる古めかしさであった。 近隣の通り沿いには他のマーケット街同様の店が並ぶが、価格を尋ねると他のエリアよりも一段易く販売されている。また、偽造パスポートやIDなどの公的証明書を400ペソ(1100円程度)で作成するサービスをうたうショップが多くあった。

マニラ界隈で最もディープなRectエリアには日本の伊勢丹がある。
ここも日本国内での商品知識と価格知識があれば色々とお宝を探せるのかもしれない。おおそらくこれまで見たマーケットの中では最も安く商品を購入できるだろう。

市場を巡っての所感

市場で販売されている商品に価値があるかないかが一番の問題にはなるが、中には独自色を打ち出して販売しているようなショップもあり、実店舗の商品情報等をまとめ、デリバリーの機能を加えたらひとつのサービスにはなり得るような感触があった(インターネット黎明期においての秋葉原情報的なもの) 残念ながら今回の訪問時には商売気のある店舗オーナとは出会えなかったので、次回訪問する際にはもう少し可能性を掘り下げられたらと考える。


マニラのオークション事情

日本のJUやUSSに並ぶような国内市場向けの大規模中古車のオートオークションは現時点ではまだ存在しない。しかしながら、スービックのフリートレードゾーン内では、輸入車や大型特殊車両を中心としたオークション形式による販売は行われていた。地元紙にも積極的に広告を掲載している印象のある「United Auction Inc.」はその中でも比較的大規模に入札会を行っている。 ただし日本車については商用車にせよ乗用車にせよ左ハンドルに換装しないと登録するこが出来ない上に高率な関税が適用される為、様々なノウハウが必要になる。換装サービスの紹介をUAに問い合わせて見たが現時点では返答がない。 組織だった中古車オークションが無いため、銀行や信販会社は、支払い不能者から回収した車両を自社で入札会を開催し販売しており、中古車業界への車両供給ルートとなっている。入札会は基本的にWEB上で告知され基本的に誰でも入札できる仕組みという。 フィリピン国内での自動車/二輪車の販売は右肩上がりで上昇しており、近いうちに日本的なオークションやメーカー横断で車両販売するメガディーラー的な販売組織も出てくる可能性が高い。 自動車以外ではエイチエムアール・オークション(HMR Auction)というオークショナーが週替り日替わりで会場を替えて入札会を行っている。今回の訪問時にはタイミングが合わず訪問できなかったが、別途落札商品の価格リスト等が手に入れば可能性を検討する価値はあるかもしれない。

マニラの教育制度

現在のベニグノ・アキノⅢ政権から教育制度が改革されK+12と呼ばれる制度が導入された。下記の通り5歳から幼稚園への入学が推奨されその後6-4-2の13年間の義務教育が定められている。 

K. 幼稚園(Kindergarten)5歳から 
6.小学校(Primary Education)6年間(6歳から12歳) 
4. 中学校(Junior High School)4年間(12歳から16歳) 
2. 高校 (Senior High School)2年間(16歳から18歳) 

公立校の場合は日本と同様、授業料は掛からない。しかしながら、地域によっては教員や教科書の不足の問題等、教育予算の問題があるという 中学校以降のカリキュラムは基本的に英語で授業が進められ、加えてそれぞれの地域の言語(タガログ等の現地語)の授業も同時に行われるバイリンガル教育が施される。

数学等の授業も英語で記述されている教科書を使い、英語での設問に英語で答えるという教育を行うため、義務教育課程を終了している人材の英語力はかなり高い。ただし、先生や友人との日常的なコミュニケーションにおいては、基本的にタガログ語やフィリピン語などの現地の言葉を使うため、独特のフィリピン的なアクセントのある英語を使う。  

高校卒業後の大学進学率は2013年の時点で33.84%(世界82位-日本は41位(61.45%)) と、決して高いわけでは無いのだが求人情報等をぱっと見る限り多くの職が大学卒業資格(Bachelor Degree)等を要求しているように見える。 

また国家を上げてBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)産業を育成している為、情報処理を学ぶことができる理工系の大学や高等教育機関がかなり多く、義務教育過程で学ぶことになる英語力と相まって、オーストラリア・北米・欧州の一部をクライアントとしたコールセンターなどの求人需要は年々高まっている。
 

今回訪問した企業及び人



今回のフィリピン滞在時にはフィリピン全体のイメージを掴むことと同時に、WEB制作会社、日系のCADアウトソース先、フィリピン政府の貿易産業省の機関、現地財閥系不動産デベロッパー等、ある程度の目的を有しながらアポイントメントを取り情報を交換した。  WEB制作系のアウトソース先とは数社と情報交換したが、全般的な印象として低価格のみに立脚したサービスの展開は難しいように感じた。ただし、WEB制作系の会社については現時点の主なクライアントが北米や欧米の企業中心となっており、想像以上に日系企業との関わりは持っていないようで、今後の取引については概ね歓迎されている様子であった。  また訪問したフィリピンの政府機関も、メールによる個別の問い合わせはかなり迅速かつ丁重に対応して頂ける実感を得た。今後、商いを検討する際には積極的に問い合わせしつつ関係を構築できればと考えた。また規制や法令等の一般的な情報については、WEB上に英語文書としてかなりの率で網羅されており、他のASEAN諸国と比較してもかなり情報へのアクセスは優れているように思えた。


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