書評:「贖罪」酒井法子

書きっぱなしもなんだろう、と思い書店で「贖罪」購入してきた。出版社とどのような取り決めになっているかは知る事はできないが、この消費活動によって幾らかでも彼女の役に立つのであればと思い購入した。

読み進めてゆくうちに、アマゾンのレビューで強烈に批判されている事とは違った印象を受けた。決して言い訳に満ちた文章では無いと感じたし、一生懸命自分を説明しているように感じた。芸能界、しかもアイドルが著書を書くというとどうしてもゴーストライターの存在を勘ぐってしまうが、今回の著書についてはどうなんだろうか。

今はマスコミなどの公共の電波に出るのは難しいとは思う。
しかし、SNSを有効に利用すればフィルタの掛からない本当の情報をファンと共有できる。
そんな動きが全く無いことを考えると、やはり・・・と思ってしまう。

自らの文章であるなら、出版できなくてもギャラでなくても、その後の状況は逐一報告するべきだ。プレッシャーの掛かる作業だとは思う。叩く人間は間違いなく出てくるだろう。

しかし、自分の環境を継続的に表明し続けるという行為は、彼女には絶対に必要だと思う。根源的に薬の誘惑から断ち切る為に。そして、彼女自身が自信を取り戻す為にも。

今回の事件でファンは衝撃を受けた。でも、酒井法子が真剣に更生を目指し自分の人生を取り戻そうとするのであれば、それに協力する人々もきっと多く現れるだろう。そして、その更生の過程は、多くの同様の依存症で悩む人々に光と勇気を与えるだろう。

もう一度ファンに甘えてもいいと思う。

中学校3年のオーディションからデビュー、絶頂期を経て、結婚、そして今回の逮捕。
確かに見方によっては「言い訳」に聞こえる。しかし、淡々と語る文体からは何となく誠実感も感じ取れる。何より往年からのファンのりピーは未だに愛すべき対象なのである。

小向美奈子の一件。覚醒剤取締法違反は再犯率が50%以上あると聞く。恐らく、再犯率算出の分母を芸能人、経済的な余裕あり、未婚というように絞ったら再犯率80%とか行くのではなかろうか。それくらい、覚醒剤依存を断ちきるのは難しいという事なのである。

その辺りの取組については殆ど記されていない。この辺りも非常に不安な所だ。
ただし、文章を見るに、前述したとおり文章全般に誠実感は漂っているのだが・・・

YouTubeとかブログを活用して安心させて欲しいですわ。
彼女を支えてる人、その辺りの取組お願いします。

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