西表島



かつて東京でジタバタと働いていた時には、那覇も石垣も宮古も同一だった。西表島はその南国トロピカル島郡を構成するひとつのパーツのようなも印象しか持っていなかった。やっと辿り着いた沖縄というパラダイス。そんな中にも強烈な個性が根強くあるのに気づいたのはつい最近のことだ。

一見、標準語に近い言語を話すものの、その内容は微妙に違う。そしてその微妙な違いを追及して行くと、そこには大きな個性を発見するに至る。

西表島もその沖縄県の一部。竹富村の一角。たしかにここは沖縄県。しかし、那覇のように琉球王朝時代を色濃くのこしているモニュメントは皆無に等しい。もしかしたら、自分の勉強不足で見落としている場所があるのかも知れないが、少なくとも、コンビニでよく見かけるガイドブックの類に出てくるくらい有名なモニュメントは無い。勿論、観光立県である沖縄。観光客相手に郷土料理の類を提供する店もある。地元の人々が通う居酒屋を探訪するも、ついぞ発見には至らなかった。何が、言いたいかというと、本島の人々に見られる土着の因習のようなものがここ西表には見当たらない。

つまり、ここは沖縄県ではあるが、沖縄では無いのだ。では、ここは何?よく聞く例えではあるが、

「西表島は東洋のガラパゴス」

この一言に尽きる。表情に飛んだ亜熱帯の海。そこに生きる無数の生物たち。その生物たちを支えつつ、自らも反映を図る樹木や草花たち。そして、それらの源となる、深大なる森や山。島に到着して数時間。都会のペースで西表島をみても、その本当の表情は見つからないかも知れない。そこに生きる動植物は皆シャイなのである。人間がセカセカと森を駆ける姿は彼らの脅威。ガリバーが小人の村で大暴れしているようなものである。

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