松本復興相の辞任

宮城県知事との会談での放言を契機に、松本復興相が辞任した。

チームドラゴンなる特命チーム名まで名付け、意気揚々と任務を全うしようとした矢先、たった9日間での辞任。

迷走する民主党政権下にあって、せめてガッチリやって頂きたかった最重要課題である震災復興を巡る動きの中にあるだけに、あまりに無責任でやるせない気持ちになっている。

報道の陰に隠れた彼の彼なりの功績はきっとあると信じたいが、一連の発言を見るにつけ、リーダーシップの意味を履き違えた痛いおじさんにしか見えないのは自分だけであろうか。

彼が村井嘉浩県知事に対して「長幼の序」を説いた気持ちは分からなくもないが、もう少し大人として、志を同じくする人間に対しての対応方法があったはず。もし中小企業の営業なり経営者なりで色々な荒波に揉まれてきたならば、あの言い方で仕事が進むとは絶対考えなかったであろう。

つまるところ、彼は単純にリーダーとしての資質に掛けていただけのように思える。

メディアでは官首相の任命責任を問うべきという議論にシフトしつつあるが、リーダーの資質に掛けた人間を国政の場に推挙した福岡第一区の選挙民への責任について議論はなされていない。福岡第一区で有権者の支持を受けたからこそ、かれは復興相に任命され、そして醜態をさらした。

政界の人材不足は悲しいほど深刻に見える。ただ、この原因は、それらの人材を送り出す有権者の意識の低さに根ざしたものであるということを、もう一度考えないといけないと思った。

投票しても何も変わらないという意識の塊が現状を生み出しているとしたら、今、メディアが国民に周知すべきはミクロな問題の行方ではなく、有権者の意識を高める啓蒙活動なのではないかと切に思う。

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